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● 味をどう表現するか
味覚と言語は深い結びつきがあります。
塩からいものを食べた後に喉が渇いたり、辛いものを食べると汗が出たりといった生体的な反応は人間に共通するものですが、食べた物に対してその味をどのように表現するかは、その民族が持つ言語によって興味深い違いが存在します。
ある研究・調査によると、味の認識について、もっともシンプルな語いを持つのは、パプアニューギニアに住むドランミン族と言われています。
彼らは味を表現するのに「良い」「悪い」の二つをもって全てとしています。
シンプル故に、これが最も基本的・初期的な味の認識と思われます。
そこから、うまい(良い)味、まずい(悪い)味をさらに細かく感じ分け、既存の言葉を充てたり、新しい言葉を作り出したりして、生活を同じくする人々の中で表現し合うようになったのでしょう。
日本人の味の表現についての研究において、古代日本語では「うまし」「うまくあらず」が味の評価語であり、味を表す言葉として「あまし」、対をなして「からし」があったと思われます。「あまし」は方言の中から「薄い」味を指していたとも考えられていますし、「うまし」と「からし」が対であるともいわれています。
やがてこの「からし」からいろいろな味の語いが分離し、「す(酸)し、にがし、しぶし、えぐし」などが発生したと考えられています。
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