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ゴーヤー100万馬力
 
ゴーヤー、愛される理由

「ニガウリ」と名付けられるほど、苦いゴーヤー。
これまでにこの苦味について様々な研究・調査を紐解いてみました。
それらを元に、苦いのに愛されるゴーヤー、その理由を考察してみましょう。

仮説1・ゴーヤーの苦味成分はそもそも「心地よい味」に属する
ゴーヤーの苦味は、先に述べたようにククルビタシンの仲間、momordicosideに由来するものです。このmomordicosideは、焦げた料理やタバコの葉などを口にしたときの不快な苦味とは別の味にカテゴライズされるのではないでしょうか。
ゴーヤーの味は「心地よい苦味」「心地よい味」であり、実際にヴェトナムのある民族ではゴーヤーの苦味を表すのに「好ましい苦味」という確立した言語を所有しています。そして、それは舌の奥前方寄りで感じられ、難なく飲み込むことができるのです。

仮説2・ゴーヤーの苦味は繰り返しによって好ましくなっていく
ゴーヤーを初めて食べたのは多くの人が子供の時。そして、この「公然とした苦味料理」に顔をしかめたことでしょう。しかし、顔をしかめたところで家庭の食卓からゴーヤー料理が姿を消すことはありません。
「おじぃ」や「おばぁ」が好きなこの味は、消えるどころかかなりの頻度で食卓にのぼるのです。
「体にいいから食べなさい」と促され、一箸二箸と食べるうち、次第に食べられる量も増え、いつのまにか、また食べたいな、と感じるようになる。この心理的変化は、相反過程理論の通りです。
付け加えて、「体にいいから食べなさい」「夏ばてしないから食べなさい」といった社会的情報を与えることにより、その食べ物が本当に美味しく感じるということは、別の研究からも明らかになっています。

これら二つの仮説から、ゴーヤーが長く食べられ続けてきた理由を考えるうち、これからの「苦味」の在り方も思うのです。
まず、この「苦味」の中には、ヒトの体にとって良いと思われる成分が含まれていることが、明らかにされつつあるということ。
「苦味」は決してマイナスの味だけではないこと。仮に「苦旨い」とでも付けるべく、旨さのある苦味が存在すること。
そしてこの「苦旨い」味は繰り返しによって得られ、その味わい知った人の人生は随分と楽しく、幅広いものになるであろう、ということ。

「苦旨い」食品の代表、ゴーヤー。
今晩あたり、食べてみたくなりませんか。


参考文献「たべる食行動からの心理学」中島義明今田純雄著朝倉書店

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