出合い編

新聞紙に包まれて、ゴーヤーはわたしの手元にやってきた。台所で、そろそろと広げてみた。キュウリよりも少し若い緑色をしている。形はさつまいもが、大小さまざまなサイズのイボで覆われたような、お世辞にも器量よしとは言えない形をしている。この姿はテレビなどで見たことがある。知ってる。でもこれはとても大きい。
想像していたサイズの二倍はあった。うっわあ、実物はこんなに大きいんだ。

 

まな板にのせてみると、やっぱりはみ出している。じいっとながめているうちにそれがだんだんとワニに見えてきた。

まさかと思いながらワニをみると、今度はあぶら汗を流したカエルの姿に変化した。気を取り直して包丁をにぎりしめると、まな板の上には耐えるキュウリが横たわっていた。沖縄の畑でジリジリと照りつける太陽にじっと黙って耐えているうちに、汗までもが固まってしまったキュウリだ。

いや違う!キュウリでもカエルでも、ワニでもない。今日はどうかしている。ボーッとしているし、だるい、暑さにやられたようだ。

このところ急に暑くなって、からだもついてきていない。こんな時が、救世主ゴーヤーの出番だ。その苦味の清涼感が、体を引き締め元気にしてくれるという。精神も安定させてくれるらしい。

ほかのウリ科とは明らかに違う特性だ。早く料理して恩恵にあやかろうとこの緑のぶつぶつした野菜に包丁をいれた。

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