| ●シンプルに大胆に ニガウリの醤油かけ(熊本)
これは、もう、料理と言いましょうか。手順はすっきりと3つ。すなわち切って、茹でて、かける、これで完了です。
薄切りにしたゴーヤーをさっと熱湯で茹で、器に盛ってかつお節と醤油をかけていただくこの「ニガウリの醤油かけ」はゴーヤー料理の中でも、ゴーヤージュース(ゴーヤーの果汁を絞って飲むという至極シンプルなもの)と並んでゴーヤーの苦味と真っ向から向かい合った品と言えるでしょう。
この苦味の利いた「醤油かけ」は、熊本では大変にポピュラーな料理。夏の家庭料理の定番として、とても愛されているのです。
ある時はおかずの一品として、ある時は焼酎のアテとして、鮮やかな緑色に茹で上がったゴーヤーが食されます。
食事の中で食べられる「醤油かけ」は、ある意味「口直し」の役割も果すのではないでしょうか。旨味、辛味、甘味などの刺激を断続的に受けている舌を、すっきりと立て直す、少々量も質も食べ止まりを感じた時に、このゴーヤーの苦味で「もう少しいけるな」、と再び食事を続けられる…。箸休めと食欲増進剤を兼ねたような「小粒ながらにキリリと苦い」、そんな存在のように思えるのです。JA熊本にたずねたところ、熊本県ではゴーヤーは主要農産物に指定されておらず県内でどれだけ生産され、流通しているのか管理・把握はできていないとのこと。それなのに、様々な料理法でしっかりと家庭に根付いているのは、すなわちみな自家栽培でゴーヤーを育てているからなのです。自分で育てたゴーヤー、または青空市場で育てた人から手渡されたゴーヤーでいろんなゴーヤー料理を作る、これが熊本流のようです。
また、最近は沖縄産の苦味のマイルドなゴーヤーの人気が高いとのこと。「ニガウりの醤油かけ」といった料理には、沖縄産の方が食べ易いのかもしれません。
ただ、きっと昔からの熊本ニガウリの苦味を愛でる人の台所には、きょうもあの長細いスラリ型のゴーヤーがゴロリゴロリとしていることでしょうが。
●鹿児島風レシピ「ゴーヤーの湯引き」
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