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ゴーヤーもっと知りたい
 
  ところ変われば呼び名変わる

cut_yobina.jpgゴーヤー、と断りなく述べているこの呼び名は、実は、方言。
ゴーヤーは「ニガウリ」を指す、沖縄の方言なのです。
それでは「ニガウリ」とは何ぞやと、広辞苑を引いてみると、すぐに「レイシを見よ」との指示をうけることになります。
「ゴーヤー」「ニガウリ」の他に「レイシ」との呼び名も持つのでしょうか。
レイシ、れいし、茘枝…・。 「ウリ科の一年生蔓草。雌雄同株。(略)果肉に苦味があり、青いうちに野菜として食用、また観賞用。ツルレイシ。にがうり。沖縄でゴーヤー。」

やはり、ニガウリの別名です。ともすればこの「レイシ」の方が本名とも思われる書きぶりに、その名についてもう少し掘り下げてみることにしました。
すると「単にレイシとよぶこともあるが誤用である。(『食材図典 小学館』)」との記載を発見。さらに「ニガウリ…ツルレイシの名は南方の果樹である茘枝に似ていることから出ているといわれる。(『日本の野菜』青葉 高著)」

そう、唐時代、玄宗帝の寵愛を一身にした楊貴妃の好物であった果実の「茘枝(ライチ)」。くすんだ茶色の殻をまとい、中に不透明な白色の甘い実生をたたえた、あの果実に似ているというのです。緑色のイボイボゴーヤーと、茶色の木の実のような茘枝の、一見、全く別物の共通点―――それは、いずれもその実の外観、手触りが「武骨」である、ということでしょうか。

その他様々な資料からも、日本での名称は「ニガウリ」がいわば公用語で、ゴーヤーは別名、ツルレイシは正式な「和名」と考えるのが順当なようです。

ただ、沖縄の人たちの「ゴーヤー」に対する思い入れは深く、沖縄産の「ニガウリ」はニガウリではなく「ゴーヤー」である、したがって、沖縄産の「ニガウリ」を市場に出荷する時はあくまで「ゴーヤー」と呼称する、との話も耳にします。

ニガウリ。ウリ科ニガウリ属。
このニガウリを呼ぶのに、ゴーヤーを初め、その他にも宮古ではゴーラー、八重山ではゴヤ、九州鹿児島ではニガゴイ、ニガゴリなど、さまざまです。

世界ではMara(タイ語)、 Peria(マレー語)、 Peria,pare (インドネシア語) Ampalaya (タガログ語)、これらが「ニガウリ」を言い表します。
そして英語では「Bitter melon」。
Bitter (苦い)melon(ウリ類)とは、その植物的系統をよく考慮した上での名称と言えるでしょう。他の名称である「Bitter Gourd(苦いひょうたん)」もその同系列の名付け方と考えられます。
興味深いのが、ニガウリが「Bitter Apple(苦いリンゴ)」「Bitter Pear(苦い梨)」といった果物にも比喩され、称されていること。

形や味、実の成り方も随分と違うこのニガウリのどこに、共通点を見出したのでしょうか。
…と、Appleで連想されるのが、「リンゴ」が体に良い食品の代名詞としてよく用いられていることです。「1日1個のリンゴで医者いらず」とは、古くから言い習わされた英語圏でのことわざであり、また、「バーモンド療法」と称してリンゴを用いた民間療法もアメリカでは馴染み深い物です。
リンゴのように体に効く苦いもの―――。過ぎたる想像とはいえ、海を越えてニガウリに対する同じ視点を欧米文化圏に垣間見たようです。

ニガウリ、ツルレイシ、その名はいくつもあれど、しばらくは「ゴーヤー」と呼ぶことに致しましょう。
武骨でゴツゴツ、南の島の出身者。「ゴーヤー」とは随分とぴったりとした名前ではありませんか。


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