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ゴーヤーもっと知りたい
 
  ゴーヤーの足取り・その後

cut_2-14.jpg日本でのゴーヤーは、前述の本草書に取り上げられているように薬としての位置付けであったと思われます。各本草書の著者が西日本出身であったことはゴーヤーの栽培地域を推測するヒントの一つといえるでしょう。
野菜、つまり食品としてのゴーヤーは沖縄・九州という範囲の中で熟成していきます。 そして伝来から400年近くたった20世紀後半、ゴーヤーは沖縄・九州を巣立って、日本全土に広がったのです。

ニライカナイのこころ

琉球には昔から「ニライカナイという別世界が海の向こうにあり、そこから神々が訪れてさまざまな豊饒や幸せをもたらす」という言い伝えがあり、故に、外からくる人たちは福の神様で大切にしなければならない、という考え方が根付いています。 琉球王朝時代、明からやってくる異国の人々を喜んで受け入れ、共存していた琉球人にはこの信仰がその原点になっていたのでしょう。

江戸時代末期、琉球を訪れたイギリス人軍艦艦長はその手記に、琉球人のことを「黒い眼は和やかな表情をたたえ、歯並びは正常で白く美しい。態度は控えめで礼儀正しく、内気で丁重で、一言で言えばもっとも興味深く、好感の持てる人々なのである」と記しています。

中国人にしかり、イギリス人にしかり、海の向こうからやってきた人々を真摯な友好の姿勢で受け入れ、もてなす―――この琉球人の気質が、異国の文化をさらりと消化する力になっているのではないでしょうか。

今、沖縄が世界でもトップクラスの長寿地域であることが国際的に注目を集め、その長寿の秘訣を探ろうと、各国の研究者が、「オキナワン」の生活を調査しています。 近年、その報告書が『THE OKINAWA PROGRAM』として出版されました。 その中に、長寿の重要なファクターとして食生活が挙げられ、さらに「オキナワン」たち が食べている有用な植物として、ゴーヤーもあげられています。

「薬食同源」の思想でアジアに広がったゴーヤー。
そして異国の人々とともに、歓迎の心を持って沖縄に上陸したゴーヤー。
今度は21世紀的健康への発想で、一気に「ゴーヤー発展途上国」である欧米諸国へと広がりをみせるかもしれません。

インドに生まれたゴーヤーの旅はまだまだ続くのです。


<参考文献>
張 競 『中華料理の文化史』/陳 舜臣 『沖縄の歴史と旅』/寺田隆信 『物語 中国の歴史』/ベイジル・ホール『朝鮮・琉球航海記』
河野友美 『食味往来』/ 勝見洋一 『中国料理の迷宮』/高良倉吉 『アジアのなかの琉球王国』/篠田 統 『中国食物史の研究』
大修館書店 『月刊 しにか』vol.9/No10


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