| ●チャーラチャーラ炒めるチャンプルー
この料理に関する沖縄言葉の中でも「チャンプルー」はとても親しみある調理法です。
ソーミンチャンプルー、タマナーチャンプルー、そしてかのゴーヤーチャンプルー。
語源を含めて「チャンプルー」の周辺をもう少し探ってみましょう。
チャンプルーとアンダ
チャンプルーを作る時に必ず使うアンダ。アンダとは油の事をさす言葉です。
私達が普段使う「油(アブラ)」という言葉は、奈良時代からすでに用いられていたといわれています。本土ではそれ以降、変化することなく「アブラ」と発音され続けていますが、沖縄地区についてはこれが、「アブラ」→「アンブラ」→「アンラ」→「アラ」→「アンダ」と変っていったと考えられています。そして15世紀にはすでに「アンダ」は油を言う言語として定着していたようです。
例えば油を入れる鍋はアンダーナビ、油を保存する甕はアンダーガーミ、そして口に油が塗られているかのように饒舌なことをアンダグチ(油口)。これはいささか批判的な意味合いで使われますが。
油でつくる揚げ物はアンダーギー、豆腐を揚げて作った生揚げはトーフアンダーギー。
ティーアンダー(手油)は料理に使う油のことで、ティーアンダーイーリン(手油を入れる)は食事を大いにサービスし、たっぷりと美味しく作ることを言います。
チャンプルーはチャーラチャーラ作る
油に関係するその他の言葉として、油がギトギトしていることをチンチンと形容し、アンダチンチンスンとは油がギラギラ浮いていることを言います。
そしていよいよ油を使って炒めものを作るとき。台所からは、「チャーラチャーラ」という音が聞こえてきます。そう、チャーラチャーラは、沖縄方言で「炒めたり揚げたりする時にする音」のことを言うのです。さしずめ、「チャッチャと炒める」といったところでしょうか。
このチャーラチャーラという擬音語が「チャンプルー」の語源と考えられています。
ソーミンチャンプルーに、ゴーヤーチャンプルーといった沖縄の家庭料理の主幹をなす料理たちは台所の火の元から聞こえる音から名付けられたのです。
「チャンプルーとは、豆腐を用いられた炒めもののことを指し、豆腐が入っていなければ、それらは全てイリチーか、プットルー(油焼き)である。チャンプルーには豆腐が必要不可欠だ」という楽しい説もあります。が、語源だけで考えると、チャンプルーは特に豆腐を必須とはしていないようです。 チャーラチャーラ。
この、少し伸びて、そのくせリズミカルな擬音語は、中華鍋に入ったゴーヤーや島豆腐が、鍋をあおるごとに一瞬宙に浮き、そしてまたスルリと油を光らせた鍋肌に滑り戻っていくような風景を思い起こさせます。
テフロンのフライパンで、ジクジクと弱火で炒めては、このような音は聞けません。
鉄鍋で、思い切った火力でこそ、このチャーラチャーラ、チャンプルーが出来上がるのでしょう。
参考文献:「郷土料理とおいしい旅20沖縄」朝日新聞社編/「図説琉球語辞典」中村正智著
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