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実は日本人も苦味好き

日本人にとって「苦」とは好ましいイメージのものではありません。
しかし、では苦いものをすべて忌み嫌い、排除してきたかというとまったくそうではないのです。
日本の食卓にのぼる様々な食材には「苦い」ものが数多く見受けられます。
春早く草木が萌えたつ時期の楽しみである山菜のあれこれ、夏の清流で捕らえられたアユの塩焼き、そのハラ、そして茶葉そのものを食する抹茶。
これらの苦さは好んで日本人が食し、また、これからも食していくであろうものです。

「苦い」の程度を表す語いとして、もう一つ日本人は「ほろ苦い」という言葉を持っています。味を表現する言葉で「ほろ」のつくもの。実はもう一つあるのです。それは「ほろ旨い」。
ほろ苦いか、ほろ旨いか、どちらが先に生まれた言葉か分かりませんが、苦いはまずいという堅牢たる観念を、なにかしら揺るがしたい、苦いにも旨さはあるのだ、という思いを表出したい、そんな思いがこの二つの言葉に共通する偶然から感じられるのです。


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