●中華鍋で勢いよく、これがコツ
3.ゴーヤー+卵+木綿豆腐+ベーコン
ポークに比べ値段からも市場に出回る量としても、使い勝手の良い材料でしょう。
さて、いざベーコンでチャンプルーを作ってみますと、結論から言って、美味しくは仕上がります。ただ、薄いベーコンを使ったり、細く切ったりすると、炒めたとたんに縮み上がり、出来上がった頃にはベーコンの姿はゴーヤーや豆腐の中に埋没してしまうことになりかねません。
ベーコンを使う時は厚みのあるものを、やや幅広に切って用いるべきでしょう。
4.ゴーヤー+卵+絹ごし豆腐+ポーク
実はもともとこの条件での実験は予定されていなかったのですが、木綿豆腐を買うところを間違えて絹ごし豆腐を買い物カゴへ入れ、そのままスーパーマーケットのレジを通過してしまったところから急遽、条件4として組み入れることになりました。果たして結果はいかに。
まず、絹ごし豆腐の水切りですが、なめらかでつるりとした絹ごしは水気を切ろうとしても、ただ、じわっと染み濡れていくだけで、まるで寒天の水分を抜くかのように埒の明かない作業です。
適当に見切りをつけて、条件2と同じようにチャンプルーを作りはじめました。
と、鍋に絹ごしを入れたとたん「ジュッ、ジクジクジク…・」と猛烈に水分の放出が始まったのです。
火力を強くしてもその水分が短時間で蒸発するとも思えず、そのまま下準備したゴーヤー、ポークを入れていくと、さらにジュクジュクと水分が出てきます。
お玉で豆腐を崩すと、その水分放出の勢いは増して、中華鍋の中はとても「炒めもの」を作っているような様相と思えません。
これでは「チャンプルー」でなくて「イリチー(炒り煮)」だ、とひとりごちながら、まずは強い火力のまま水気を飛ばすことに専念します。
時々鍋をゆすりながら待つことしばし、やっと鍋のなかの材料たちが水面から顔を出し始めました。カツオだし、塩、こしょうで調味、卵で仕上げます。
さて、試食です。何分、長時間「煮込んだ」ためか、ゴーヤーの歯触りも苦味もかなりマイルドに、つまりは頼りなくなっており、反面、その苦味が他の材料に乗り移ったような、全体として苦味のある料理となりました。
絹ごし豆腐もおそらく、自分の持ち場でない舞台に引っ張り出された上にあれこれ操作をされ、挙げ句につるりとした食感の身上であった水分を全て出し切らされて、いささか疲れたような表情で皿にのっていました。
そんな絹ごしの前で言うのもはばかられますが、やはりチャンプルーに絹ごし豆腐は不向きであることを実感しました。
以上の「実験」を踏まえて、ヤマトンチュウのチャンプルー作りの約束事です。
1. ポークはやはり好相性。チャンプルーについてはポークの塩味の強さは気に留めずとも良い。ただし調味で塩は控えるべし。
2. 炒め油の量も大切。多すぎれば油っこく、少なすぎれば苦味がきつく感じられる。材料が鍋の中を自由に動く程度の量で。特にバラ肉を使う時は、多すぎないよう注意すべし。
3. ゴーヤーは1.5〜2ミリ程度の厚さに切るべし。それより薄ければ頼りなく鍋に貼り付き、それより厚いと苦味がたつ。
4. 豆腐は木綿豆腐をしっかり水切りして使うべし。島豆腐が入手できればなお良い。絹ごしは使うべからず。
5. 中華鍋で勢いよく調理すべし。
「100人いれば100のチャンプルーがある」と言われるほどに、作り手によってその味わいの異なるチャンプルー。
きっとウチナンチュウはおばぁやネーネーが作るチャンプルーを、その人なりにまた手を加えて味わいの幅を100にも200にもしているのでよう。
果たしてお隣のチャンプルーはどんなお味?
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